2012年6月13日水曜日

Making of GUNBODY from SOLDIER BLADE work09

■WorkInPregress05 Head

・さて、今回はポリゴンモデラで作った頭部パーツを3D-Coatに持ち込んで、調整するところまでを解説します。

・3D-Coatは多機能な上に、それぞれの機能へのアクセス方法が色々あるのが判りにくいかもしれません。モデルを読み込む際にも各種機能に応じたインポート窓口がずらっと並んじゃうので(下図)ちょっと引いちゃうかも。

入り口がここだけじゃないのも解りにくさを増している気が(笑)
・ここでは『ボクセル化メッシュをインポート』からモデルをインポートします。
インポートの際に『ボクセル化せずに追加』を選択すると、ポリゴン形状のままインポートできます。
この手法でのコツは、読み込むモデルを十分にメッシュスムーズしておくこと。3D-CoatはZBrushのようなディバイドが難しい&ボクセル化するとポリゴン数があんまり関係なくなるので、割っておいた方が綺麗な面を作ることができるんですね。

サーフェスモードで読み込まれた頭部パーツ。
・objファイルに内包されたモデルは自動的にツリーになって3D-Coatに読み込まれます。
これをボクセル化することによって、一つのカタマリに変換する訳です。
頭部シェルを隠したところ。完全めり込みで形状を作っている。

 ■ボクセル化の罠!

・ついにボクセル化、な訳ですが、『ピクソル』等と言いつつ実質ポリゴンなZBrushと違って、3D-Coatのボクセルはガチ!(笑)なので、少々癖があります。
それは、ボクセルモデルを詳細にするためには『空間の解像度』すなわちスケールを大きくする必要があるという事です。

今回のモデルはCinema4Dで単位をcmにして作業し、サイズは『実体』を意識してX140 Y92 Z175()で作っています。それをデフォルトの設定で読み込んだのが以下のキャプチャ!
ディテールがローレゾのドット絵みたいになっちゃっている!
・サーフェスモードだとポリゴンまんまの形状で読み込めるんで分からなかったんですが、実はデフォルト設定ではボクセル解像度が足りないんです。(読み込み時に設定できるようにしてほしい・・・)

通常の3Dツールだと、モデルのサイズは相対的で、ことさらサイズを意識する事は少ないように思いますが、ここではレンダリングの際の画像サイズを決めるような感じで空間の大きさを変えてやることによって解像度を増やします。

モデルの解像度を上げるには、ここでスケールを拡大します。
・個人的に『慣れがいるなぁ』と思ったのはここでの数値設定。このモデルでは2倍では解像度が足りなく、10倍だとデータがデカ過ぎて重かった!色々数値を入れてみて、今回は5倍で作業する事にしてみました。

※パーツが多いモデルを作る際は、ディテールや複雑さの基準になるようなパーツをチョイスして、その後の作業を予測しておくと良いでしょう。
 
・パーツが適正サイズで読み込まれたら、いよいよパーツのブーリアンに取り掛かります。

 ■ブーリアンでパーツ結合!

・『めり込みでいいじゃん!わざわざブーリアンって必要なの?』という向きもあると思います。
実際、それでOKな場合も多い訳ですが、新しいレンダラーでエラーしないようにしたり、ガレージキット原型レベルの整合性が欲しい場合は、きちんとしたデータの方がいいでしょう。

では、なぜ3D-Coatでブーリアンなのか。

ポリゴンモデラの場合、曲面の取り扱いが難しく、曲面同士を組み合わせたような形状は非常に厄介です。更に、その交差部分にフィレットを入れるのは殆ど不可能って言っていいレベル。
Zbrushや3D-Coatのようなスカルプト系モデラーの出現はその条件を大きく変えようとしています。

このめり込みで交差した部分にフィレットを入れるのがポリゴンモデラでは難しい。
・ ・・・と、大仰に始めてしまいましたが、この複数パーツを結合するだけのブーリアンは非常に簡単。実は説明することが殆どありません(笑)
結合したいパーツがツリーにまとまってる時はこのコマンドを適用するだけ!
・結果は下図のようになります!
あとは、このフィレットの幅を制御出来れば!!
・ポリゴンモデラだと、ブーリアン境界は三角ポリやngonの嵐みたいな事になるんで、こういうなめらかなフィレットは実質入れられないんですが、3D-CoatのボクセルやZBrushならへっちゃらで入れられる!いい時代になったなぁ(笑)

■バイザーパーツのクリアランスを取る

・じゃぁ、勢いに乗って、次は引き算をやってみましょう。
先程結合したヘルメット部分にバイザーをはめ込むスリットを入れます。
ここも『めり込みでいいじゃん!』な部分ですが(笑)
筆者の性格的にめり込みが気持ち悪いんでやれるトコはやっておきます。

まず、ボクセルツリーに新しいレイヤーを作り、そこにバイザーのobjファイルを読み込みます。
読み込んだらボクセルツリーでレイヤーをコピーします。

ブーリアンすると引いたパーツは消えてしまうので、作業用のコピーを作る訳です。
ブーリアン用にバイザーパーツはコピーする。

溝がくり抜かれているのがお分かりだろうか。左側に注目。
・コピーしたバイザーのレイヤーで右クリック>『~削る』でHead_Shellを指定すると、頭部モデルからバイザー分のスペースが削られます。これでOK!簡単ですよね?

・次回はこのパーツを整形したり、ディテールを追加する部分を解説します。
3D-Coat、最近のベータ版の進化とアップデートペースが凄いんで要注目!です。
この数週間でもどんどん便利になっているので、ガンボディが完成する頃にはこの記事は陳腐化しているかもしれませんね!(それはそれで良いことです)

続く!