2010年11月22日月曜日

グラフィック・レポート#001 アーガス

助手 はい!始まりましたグラフィック・レポート!記念すべき第一回は…。

ジャレコのアーガスでございます。(パチパチパチパチ)

助手 私は当研究所で研究助手を務める『助手』でございます。
以後、お見知りおきを。(ぺこり)

…っていうか、何故にアーガスなんですか?そのチョイスの意図は…。

所長  キミは『アーガス』の意味を知っておるかね?



助手 百目巨人、ですよね。ギリシア神話の。…それが一体?

所長 最近ライブラリーに追加された#005はなんだったかね。

助手 『宇宙戦艦ゴモラ』ですね。

所長 では、現在収蔵準備中の#006は?

助手 『超連射68K』でしたか。

助手 …!

所長 気づいたようだな。

助手 #005だけに『ゴ』モラ、#006だけに『6』8K…。

所長 ふふふふふ。

助手 ダジャレかっ!

せっかく新コーナーで来館者UP!って話なんだから、もっと人気のある機体にすればいいのに(ぶつぶつぶつ)

所長 (無視して)…という法則で言うと、アーガスは100機目になっちゃう訳だな。

助手 現状の収蔵ペースじゃいつになることやら、ですね…。とほほほ。

所長 アーガスのAC版は開発がNMKなんだが、ライブラリーの#001とも共通項の多い実に良いグラフィックなのだな。

着陸という印象的なフィーチャーもあることだし、ランディングギアのギミックを仕込んで、いずれライブラリーでもやりたいと思っておるのだよ。

まぁ、今回はその時までの中間報告みたいなもんだ。

助手 ライブラリーへの収蔵は先になるとしても、こういう形で研究成果を発表できるというのがこのコーナーの重要な使命なんですね。

…でも、これはFC版じゃないですか。

所長 だって、AC版やるんならガチでモデリングしたいんだもん(涙)
こういうやりっぱなし企画でネタを浪費したくないじゃないか。

助手 一回目から酷い事言ってるな、このおっさん。

所長 キミこそファミコン版を差別しすぎだぞ。まるでゲーメスト創刊号の記事のようだな。

助手 がーん。また微妙なネタを。

所長 まぁ、印象に残る機体はハードやメジャー・マイナー関係なしにどんどん紹介するのがこのコーナーの方針だと思って欲しい。

助手 所長!私はソーラーストライカーが見たいです!

所長 (無視して)ま、ただ自機を描くんじゃ芸がないので、いろんな意味でみんなの記憶に残っていると思われるロボ形態『ウォル・アーマー』も描いてみたぞ。

助手 うわ。パチもん臭いですね…。
あれれ?自機ってこんなんでしたっけ?パッケージのイラストはもっとこう…

所長 確かに、あのデザインはアニメ的デザインとしては非常に完成度が高い。
あれをそのまま使う選択肢もあったんだが、実際のゲームを見てみると全然デザインが違うのが判ってね。

助手 まぁ、よくある話ですが(笑)これはドット絵準拠バージョンって事なんですね。

所長 そのとおり。もちろん『ウォル・アーマー』もドット絵準拠デザインだぞ。

助手 なんか、幼少期の悪夢が蘇るようなポージングですね…。

所長 ワシは買わなかったクチだが、買っちまった子の『やっちまった』感は中々のモノだったなぁ。
広告の煽りを真に受けて実際に変形させるとコレだからなぁ。

助手 急に弾が撃てなくなるんですよね。で、このポーズになる、と。

所長 謎のパワーで敵をどんどん吸い寄せて倒す無敵ロボ!それが『ウォル・アーマー』だ!

助手 この自機のウイングが変形後腕になってるって事でいいんでしょうか?

所長 うーん。そうとも取れるし、そうでもないようにも取れるんだよなぁ…。

助手 整合性は考えてないって事ですね?

所長 まぁ、おおらかな時代のメカだし、いいじゃないか(笑)

助手 (いいのか…)

所長 同時期のフォーメーションZではアートミック感あふれるロボ※1が登場してるし、もっと80年代アニメっぽいテイストにする選択肢もあったんだがなぁ。

助手 そっちの方がウケたんでは?

所長 これまたドット絵の話だが、どうにもデザイン的に『闘将ダイモス』※2っぽいのに気づいてしまった訳だよ。『ウォル・アーマー』の上面形状がね。

助手 あ、なるほど。背中なんてモロですねぇ。

所長 それで、80s風ってよりは往年の村上ロボ※3っぽい路線にしてみるのもいいかな、と思ってこういうアレンジにしてみたわけだ。

助手 ダイモス転じてダイデンジン※4ってトコですか。

所長 ワシの画力ではあんなふうにカッコ良くはならなかったがな。
奥のロボはアニメ作画版ってトコか。頭を小さめにしてあるぞ。

助手 当時のロボット玩具って劇中とはスタイルが違いましたからねぇ。

所長 子供の頃は逆に思っていたんだが、実際には玩具デザインが先で、劇中のスタイルの方が後からスタッフが頑張った結果だというのが分かってしまう、それが大人になるって事だな。

助手 しかし、このイラストを見ると凄い挙手をするロボと百人一首が強いロボに見えますね。

所長 ひどい事言うねぇ(涙)


※1 フォーメーションZはジャレコの横スクロールシューティング。戦闘機からロボに変形する自機が登場する。パッケにはどこか『レギオス』に似ている風貌のロボが登場している。

※2 闘将ダイモスは東映のアニメ作品。トレーラーがロボに変形し、そのロボが空手をするというなんとも言えない設定。大ヒットした当時の玩具は頭がデカく、荷台部分が変形する脚部はズドンと箱型!という形容しがたいスタイルになっている。

※3 村上克司氏。表面に名前が出ないので分かりにくいが、実は日本のメカデザイン界では最も偉い存在。通称天皇。筆者はスタジオぬえと村上克司氏には表裏一体でたっぷり影響を受けている。そのスゴすぎる半生は『超合金の男』という新書にまとめられている。必読。

※4 デンジマンに登場する主役ロボット。三角形のフォルムを持つ戦闘機がロボットに変形し、当時の子供に大きなインパクトを与えた。戦隊ヒーローに登場するロボの方向性の一つを決定づけたマスターピースのひとつ。